ねごと

140字じゃちょっと足りないこと

拾ったものでつくられた

「価値観が変わることがこわい」「あなたと一緒にいたらそれが起こりそうでこわい」

と まとまらない話を電話越しに聞いてくれたこと、過去について聞いてくれて聞かせてくれて共有しようとしてくれたこと、順番や時期は違えど似たようなことをこれまでの人生で考えていたこと。自分はきみくらいの歳で抜けられた、きみもあと少しで抜けられるよ、もしかしたらもう抜けているかもしれない、と言ってくれたこと。きっかけや理由になることくらい容易いと笑ってくれたこと。

 

お互いにそこそこしんどい道を通ってきて、死んじゃったほうがいいかもしれないと真剣に考えた季節を通過して、二十何年間の途中で拾ってきた価値観によって出会えたんだなあ。ふしぎだ。そんなところまで似てなくてもいいけど、つらみの経験値のマウンティングのしようがない相手ってのはいいな。だってお互いどこかでしんどかったんだもんね。

 

手放そうと思えば手放せる自分の命を、手放す選択肢を残したままあなたの隣で持っているのもいいなあと思う。あなたがわたしの隣で同じようにしてくれても全然構わないよ。楽しくなくなったら死んじゃおう、だから楽しく生きるんだ!って笑うアクティブなあなたへ。

20180324 tccm@心斎橋CONPASS

 

10年は何かしらのバンドというものが好きだがはじめての遠征をした。埼玉から大阪へ、向かうはthe chef cooks me "Now's the time tour" 心斎橋CONPASS公演。

高校生の頃は漠然と「大学生になったら遠征するのかな」と思っていたが期待を裏切りおとなしい大学生活を送ってしまった。

動機は主にふたつあった。ひとつは東名阪ツアー渋谷公演がとれなかったこと。もうひとつは、恋人もその日に好きなアイドルの地方公演へ行くことが決まっていたこと。モヤモヤと彼について悩む夜より自分も好きなものに浸る夜にしてしまえ!行くしかないぞ、と決意を固めるきっかけとなった。

 

パンパンなバックパックが邪魔になりそうだったのでロッカーへ預けフロアへ。3列目の端に構えることができた。

いつものごとく断片的にしか覚えていないが…

開演時間を少し押して始まった『song of sick』はライブの終盤で演奏されるものよりスッキリとした仕上がり。

『四季に歌えば』『間の季節』を今聴けたことに感動。揺らぎがちな季節にピッタリ。コーラスの女性二人の声がよかった。「呼ぶ声に腰に手当ててピースサイン」という歌詞で観客がピースサインするところが好き。シェフへの好意が溢れているフリだ。

 

環状線は僕らを乗せて』関東民のわたしにとって環状線は山の手線だが、関西民であろう周りの人たちにとっては大阪環状線なんだろうか。

「向こう3年は生きていく希望を今見いだせました、とか言いながら2,3日後には『人生終わってる』みたいなこと言うんだよね…悲しいことは期せずやってくるから」と語るシモリョーはわたしたちと同じように喜んで悲しんでを繰り返して生きている…そこに惹かれている。

アンコールの『WEEKEND MAGIC NUMBERS』は手拍子が完璧だった。楽しすぎていつぶりかジャンプしてしまった。リリースされて10年以上経つらしいこの曲、ライブにおそろしく映える。舞台から急に消えてしまったシモリョーのシモリョーらしさ。

 

シェフの音楽にはしあわせが詰まっている。具体的にどういうことなんだろう。他のバンドのライブよりも「目の前のライブ以外のことを考えている時間」が少ない。鳴っている音を拾うことに夢中になれるし頭のなかが白くなることが2時間弱の中に何回かある。

決して明るい人間ではないシモリョーがつくる音楽だからいいのだ。支えられている。彼と自分が似ているだなんて偉そうなことは言えないけれど。

「なるようになるという言葉の前に なりたいと願う何かを持ってきて」という言葉を忘れないで進んでいけたらいいなあ。

 

意識的に生きること

生活は勝手にはよくならない。荒れた部屋を放っておいても誰かが掃除してくれることはないのと同じで、自分でなんとかするものである。そして、よくしようと思えばある程度まで整えることができる。

忙しさにかまけて基本的なことを忘れていた。「面倒だと思ったことほど今片付けるべきこと」と少し前に気づき言い聞かせて頑張っていた自分を評価していたんでしょう。

 

相手の遅刻は許せても自分の遅刻を許せないのは 遅刻しない自分を評価しているからだ。遅刻をする自分が嫌いだからそれを回避している。相手を許せない自分が嫌いだからそれを回避している。いい子であること しっかりしていること に価値を置いている。

 

自分を嫌わないでいる方法・好きでいる方法をかんたんに擲ってはいけない。

 

 

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齢二十二にして初めて大分県と福岡県に降り立った。47都道府県すべてに行くことを当面の目標としているわたし、2マス進む。

 

帰りの飛行機はスカイマークLCCデビュー。キットカットとブラックコーヒーを無料で貰ったりコンセントがあったり、想像よりよかった。コンセントは見つけられなかったけれど友人は使ったらしいからきっとあったんだなあ。

 

あの人がしょっちゅう行っている博多に行くことができて少しはあの人の話を想像しやすくなったかしら、と思っていたけれど、同じ景色を共有できているわけじゃないんだよなあ、お揃いの記憶ではないんだよな、と東京湾の夜景を見て少し涙が出た。藤原基央が言う「おそろいの記憶を集めよう」の意味がわかってしまったから。

博多駅は札幌駅と同じく横長の建物に時計がついていた。

運転席からの空がうつくしい

久しぶりに車で生活圏外に出た。

 

真っ昼間は雲のない空で眩しかった。帰り道は遠い山並みや富士山のシルエットが綺麗だった。

 

車を運転するのが好きな第一の理由は「自由を感じられるから」である。自分の意思で動かせる最たるものは身体で、そんな自分の四肢を使って金属の塊を動かす。自分の身体がひとまわりもふたまわりも大きくなったものが車だとわたしは思っている。だからうっかりすれば死んでしまうし、物騒なことを言えば「このままアクセルを踏み続けて突っ込んで死んでしまおう」と思って実行すればパッと死んでしまえる確率が高い。すごくない?多大なる迷惑が周りにかかるけれど。

 

近いうちに 今死んでしまってもいいな と思う瞬間が来るかもしれない、そんな景色を見られるかもしれない と走りながら思った。死んじゃってもいいなあ と 死んでしまいたいなあ は全然違うもので、前者の影が見えた16号線に続くテールランプはなんでかちょっとぼやけていた。危ない。

「絶対」

自分を裏切らないもののひとつとして音楽を利用してきた。好きな音楽はわたしのことを裏切らない、もし離れるならばそれはわたしからだ。一方的な依存ともとれるから、「利用」だなんてちょっと嫌な響きを使っても間違ってはいない。メンバーがいなくなったり死んじゃったりすることもあるけど。ときが止まったバンドをあとから好きになるのもなかなか切ないけれど。そういうのは置いておいて。

もちろん音楽だけじゃなくて、物質的なものは基本的にあちらからは裏切らないと考えている。わたしがどう大切にしていられるかにかかっている。

 

もし絶対的なものとそうでないものどちらかを選べと並べられたら、わたしは絶対的なほうを選ぶ。誰かが同じように選択していたらそりゃそうだよなと納得する。納得するべきだ、と言い聞かせて実行できるいい子でありたい。会えるときに週末ヒロインに会っておいでよ。

 

 

わたしは今猛烈に50歳の4人組に会いたい。ファンクラブイベント、会員継続するし当たってくれないかなあ。

 

ポリシーを感じる

立春。気温は10度、風はなし。ちゃんと暖かくなるものだなあと昔の人たちの考えた暦に感心する。

一年は365日ですっていつ世界の皆で決めたんだろう、太陰暦の時代はどうやって管理していたんだろう。そんなことは調べれば出てくるんだろうな。

 

 

昼間に彼が会ってくれた。湯島天神にお詣りしたいとリクエストしたら快諾してくれて今日も台東区を歩いた。湯島は文京区だけれど。

御守を自分で買うわたし。なんとなく「彼氏に御守をもらう/買ってもらう」というシチュエーションに憧れていたけれど、そうだこの人はおみくじも引かないし占いも信じない、と言っていたことを思い起こし納得する。「なんなら御守は貰っても困るなあ」と今日は隣で苦笑いしていた。それもまたいいと思う。わたしは神社ビジネスにのっかるというだけで、彼はのっからないだけの話。隣でお賽銭を投げ入れてくれるだけで、わたしの将来を案じてくれるだけでありがたいんだよなあ。

 

タイヤメーカーが作っている 滑らない消しゴム を以前彼がくれた。「御守にしてもいいよ」と言って手渡ししてくれたこともセットで思い出してなおさら合点がいった。試験当日の持ち物の一部はこんな感じ。自分で買った資格の御守と、お姉さんがくれた大宰府の御守と、親友がくれた奈良の御守と、彼がくれた消しゴム。神様はケンカするほど心が小さくない。もうすこし頑張るから見守っててください。

 

 

 

 

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